2014年
3月
27日
木
先日、お客様から以下のような内容の電話をいただきました。
―そちらで買った眼鏡じゃないが、修理をお願いできないか? 買った眼鏡屋さんでこちらの眼鏡店なら修理してくれるといわれた。―
お客様の話によると、その眼鏡店は熊本で大手のチェーン店でした。おそらく上層部が店員に「修理を受け付けるな、新しいものを売れ」という指導をしているのでしょう。修理は時間がかかりまた技術を必要とします。新しいものを売った方が利益になるため、多くの眼鏡店で修理を忌避するきらいがあります。
ナガタメガネなら修理してくれるといった他店の店員さんは悪気はないと思います。そのお客様の要望をかなえようとした上での、苦肉の策ではないでしょうか?
形見やプレゼント品など、使用しているメガネに思い入れのある方もたくさんいらしゃいますので、私はできる限り修理の要望にお応えしたいと思います。
2014年
1月
20日
月
当店のお客様で、92歳のFさんという方がいらっしゃいます。この方はとっても元気で、店に来られるときは、「ながたさぁーん!」と言いながら入ってこられます。「調整してー」と遠近両用1本と老眼鏡3本を持ってこられるのですが、いつも4本共にグニャリと曲がっています。
耳も悪いためこちらのいうことはあまり聞こえないのですが、ずっとひとりでしゃべっておられます。Fさんはめちゃめちゃ明るいので、その一人しゃべりを聞きながら、思わず笑ってしまいます。幸せな年の取り方だなぁと思います。
Fさんは‘恩給(おんきゅう)’をもらっているから、多少お金の融通が利くとのこと。知らない方のために補足しておきますと、恩給とは戦場に行った方や戦死した方のご家族に国から支払われるもので、年金とは別に支給されています。こんなに明るい方にもつらい戦争体験がおありなのだなぁと思うと、よけいにFさんの明るさが輝いて見えます。
知らず知らずに周りを幸せにする、そんなFさんみたいな年の取り方をしたいものです。
2014年
1月
08日
水
2014年が幕を上げました。今年もよろしくお願いいたします。
早速、近所(熊本県上益城郡御船町)にある若宮神社に初もうでに行きました。宮司さんが女性の神社です。そのためか、なんとなく華やかな感じがします。
参道門を新築していたためか、去年より参拝客が多かったように思います。昨年は破魔矢を購入したので、今年はお札にしました。早速、ホームセンターで購入した神棚に奉納。
アベノミクスで順調な日本経済ですが、中国や米国のいびつな経済の動きが心配です。両国ともに一部の富裕層が資産を持ちすぎています。そろそろ日本は一国で自立する方向に、ベクトルを定める時期かもしれません。
新年早々、小さな眼鏡店で随分と大きなことを考えてしまいました(-_-;)
2013年
11月
28日
木
安いメガネと高いメガネの違いについて、前回は実際に取り扱う際のフレームの質感について説明しました。今回はフレームに対する設計思想について考えていきたいと思います。
現在、スリープライスといわれる格安メガネショップ(JinsやZOFFなど)が、若者の間でもてはやされています。メガネを格安で購入できるため消費者にとっては好ましいことに思われます。なぜ、スリープライス眼鏡店はコストダウンできるのでしょうか? その理由の一つに設計思想の違いが挙げられます。
もともと、JinsやZOFFなどは、雑貨やアパレルから眼鏡業界に参入してきました。そのため、眼鏡に対し雑貨やアパレルとに対するのと同じ態度で、取り扱っているきらいがあります。
わたしの店にも時折、スリープライス眼鏡店で購入したものをフィッティングしてもらいたい、というお客様が来られるのですが、その多くはフィッティングが困難です。デザイン重視で設計されいるため、様々な人の顔にフィットさせるという視点が欠如しているためです。
雑貨やアパレルなどではそれでもいいかもしれませんが、眼鏡は違います。元来、眼鏡は医療器具の一種なのです。たとえば、松葉づえでも義足でも様々な人にフィットさせますよね? 眼鏡もそれと同じです。お使いになる人にフィットさせる、という視点を持って設計しなければなりません。
そのため、眼鏡設計には眼光学や視覚心理学はもちろん、顔の骨格や血管にたいする医学的知識を駆使しなければいけません。それを踏まえたうえで、さらにみなさんに喜ばれるデザインを創造していくのです。以上のような理由もあり、高いメガネは高くなり、安いメガネは安くできるのです。