偏光レンズとは水面の反射光や液晶画面など、特定の光をカットする性質を持ったレンズのことをいいます。魚釣りやサイクリングなど、頻繁にアウトドアの活動をされる方が、サングラスとして好んで使用します。ここでは偏光レンズの性質を見ていきましょう。
液晶画面は偏光の特性を利用しています。そのため、偏光レンズを縦にしたり横にしたりと90度変化させると、画面が明るくなったり暗くなったりするという現象が発生します。
下図は偏光レンズの効果を示したものです。縦方向の光が透過しているのが確認できます。自然光は本来360度様々な方向性を持っていますが、偏光レンズを通過することで直線偏光となりその光の振動方向は横方向になります。
図10はガラスの表面反射を偏光レンズを用いて写したものです。表面反射をカットすることで、ガラスの中にある人形が見えるようになるのが確認できます。
偏光レンズには反射光除去するという働きがあります。図12をご覧ください。屋根の反射光(左図)が偏光レンズを通して見ると(右図)除去されているのがわかります。
下図は反射光が偏光になる様子を表したものです。反射した光が完全に偏光になるときの入射角をブリュスター角(Brewster's angle)といいます。
入射面に対して平行な偏光成分をP偏光、垂直な偏光成分をS偏光といい、2つの屈折率の異なる材質の境界面に光が入射するときP偏光とS偏光では反射率が異なりP偏光では特定の角度で反射率が0まで減少し、S偏光のみとなります。
また、偏光レンズにはコントラストを変える働きもあります。図13は青空に浮かぶ雲を写したものです。左図の偏光レンズなしに比べ、偏光レンズを通して見たもの(右図)は雲の輪郭がはっきりとしているのが確認できます。なお、コントラスト効果は、光源(太陽光)に対して直角な方向にある物体ほど大きくなります。
偏光レンズは、その濃度により効果が異なります。濃いものは夜間運転不適合ですので、購入する際には店員にお尋ねください。