散乱光をカットする遮光レンズとは?

遮光レンズのトライアルセット赤・黄・緑と原色系なのが特徴
遮光レンズのトライアルセット赤・黄・緑と原色系なのが特徴

光の波長よりも小さいサイズの粒子による光の散乱をレイリー散乱と呼びます。太陽光が大気で散乱され、空の色が青く見えるのはその典型的な現象です。散乱の量は、粒子の大きさや波長の大きさによります。

 

短波長光はエネルギーが強く(式1)散乱を防ぐ意味でも短波長の光をカットするレンズが必要とされてきました。そこで登場したのが遮光レンズです。

 

E=hν=h×c/λ (式1)

 

E:エネルギー h:プランク定数 ν:振動数 λ:波長 c:光の速度

 

遮光レンズはコントラスト向上させる

380nm~540nmの青色光から緑色光をカットしたGBオフレンズの分光透過率
380nm~540nmの青色光から緑色光をカットしたGBオフレンズの分光透過率

遮光レンズには、対象のコントラストを向上させる効果があります。下の図21は遮光レンズのコントラスト効果を示したものです。上図の分光透過率特性をもった遮光レンズを通してAを見たものがBです。Aに比べBでは文字がハッキリとしているのが分かります。

短波長をカットすることでコントラストが向上している
短波長をカットすることでコントラストが向上している

遮光レンズの見え方

AレンズとBレンズの分光透過率。Bでは緑の550nmの特性が30%残っている
AレンズとBレンズの分光透過率。Bでは緑の550nmの特性が30%残っている

遮光レンズは、その分光透過率特性により見え方が変わります。上図の遮光レンズA,Bはともに短波長をカットしますが、その見え方は図23、図24、図25のように大きく異なります。購入する際にはトライアルレンズで室内、屋外の対象物を見て確認してください。

Aは赤系レンズ Bは緑系レンズ 色覚異常の人の見え方はAに近い
Aは赤系レンズ Bは緑系レンズ 色覚異常の人の見え方はAに近い

色覚の検査器具

色覚の検査器具としては、図23の石原式検査図や図26のPanel D-15 testなどがあります。

分光透過率特性を生かしたレンズ選びを

遮光レンズを選ぶ際には、分光透過率特性を考慮した選定を心がけましょう。上図のように遮光レンズの種類により、対象物の見え方が変わります。使用する環境や用途を眼鏡店に伝え、しっかりとトライアルをしてください。

              昼と夜では眼の特性が変化する
              昼と夜では眼の特性が変化する

上の図は昼と夜の眼の視感特性を表したものです。夜間視力(暗所視)昼間視力(明所視)に比べ、波の頂点が短波長側によっています。簡単に言うと、昼間は緑系が夜間は青系が一番見やすいということです。これは、網膜視細胞が錐体細胞(昼)から杆体細胞(夜)へとバトンタッチするため起こる現象です。昼間と夜では眼の特性自体も変化することも知っておくと便利です。

 

ちなみに、このバトンタッチする夕刻時を薄暮視といいます。この時間帯に交通事故が多発するのは、視細胞の役割が変化している過程にあるためです。

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