両眼視の謎!?

私たちは普段、両目でものを見ています。この両目で見ることを両眼視(りょうがんし)といいます。実は人間のような両眼視をする動物はそう多くはありません。馬や牛などの草食哺乳類はもちろん爬虫類や魚類などの多くは、一つの対象を両眼では見ていません。彼らは、敵やエサを素早く広い範囲で発見できるよう、眼が顔の横についています。そうすることで、ほぼ360度の範囲の視野を確保しています。

 

なぜ私たちの目は、顔の横に付いていないのでしょうか? ここ最近、3D映画が人気を博しています。3D映画がうけるのはその迫力ゆえでしょう。「迫力がある」ということは、「情報量が豊富」とも言い換えられます。そうです、私たちは視野の広さを捨てることにより、情報量すなわち視覚の濃さを選択したのです。

パーヌムの融像圏

パーヌムの融像圏

上の図は両眼視の視線および視野を表したものです。右図の視線の先、棒線部分はパーヌムの融像圏といわれる視覚圏です。このパーヌムの融像圏は両眼視が可能な領域です。つまり視覚が濃い領域なのです。

視力の中心 黄斑部

眼球と黄斑部の構造
黄斑部の構造

モノを見る際、私たちは目の中心で捉えようと視線を向けます。その視線とは、厳密にはモノと網膜の中心(黄斑部中心窩)を結んだラインのことを指します。黄斑部中心窩は、網膜で最も視力が出るところです。両目のラインを合わせる努力が両眼視です。

同時視・融像・立体視

両眼視機能のレベル

上図は両眼視のレベルを表した模式図です。上に行くほどより高度な視機能です。

 

  • 同時視(両目で同時に物を見る)
  • 融像(両目の像を重ね合わせる)
  • 立体視(重ね合わせた像が立体に見える)

 

これらの視機能は幼少期からの目の訓練により、自然に身につけられるものです。逆に言うと、幼少期に身につけられなかった人が成人後に身につけようとする努力は、並大抵のものではありません。詳しくは未知なる視覚の世界を読もう!でご紹介した「視覚はよみがえる~三次元のクオリア~」や「46年目の光~視力を取り戻した男の奇跡の人生~」をご参照ください。

同時視訓練図
同時視訓練のイラスト。画面20cmほどに近づき、立体視の平衡法か交差法を使いライオンをオリの中に入れる。上手くライオンをオリに入れられましたか?

複視・混乱視・異常対応

複視と混乱視

上図は上手く両眼視ができない場合の模式図です。左が複視、右が混乱視となっています。複視では対象の○がふたつに見え、混乱視では対象が△、○の2種見えてしまいます。

網膜対応

両眼の視線を合わせられない場合でも、両眼視が可能な場合があります。このことを網膜の異常対応といいます。異常対応では左右の目が違うポイントでモノを捉えます。上図の場合、右図の異常対応では左眼のF(Fovea:中心窩)に対し、右眼はFではなくP'で捉えています。この領域を道づれ領といいます。道づれ領の範囲内であれば両眼視可能です。

両眼視の訓練

両眼視が上手くできない場合は、訓練をして身につけることがファースト・チョイスです。両眼視訓練の代表ブロックストリングスをご紹介します。下の写真をご覧ください。一本のヒモを眼前にかざし、覗き込むようにしています。ヒモには3つのポイント(ビーズ)が設けられており、そのポイントに焦点を合わせるように視線を移動していきます。

ブロックストリングス

ポイントにシッカリと焦点を合わせるようにします。ぼやけていてはいけません。そして、ポイントの前後のヒモが、それぞれ2本見えることを確認します(下図)。

ブロックストリングス

理論的には、ポイント(ビーズ)はパーヌムの融像圏にあるため両眼の焦点が合い、ヒモは圏外にあるためにダブってみえる(複視)ということになります。

パーヌムの融像圏

ブロックストリングスは単純ですが、とても効果的な視機能トレーニングです。スポーツや読書が苦手な人には、この両眼視機能が上手く働いていないケースがあります。簡単に作れますから、ぜひブロックストリングスで視機能をアップさせてください。

 

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